投資方針の立て方についてのお話です。
はじめに
新型コロナウイルスの影響で世の中は悲観的になってきた気がします。
今後、株価がどう動くかはなんと言えませんが当面はこの状態が続きそうですね。
この状況において最近、米国株ETFの長期運用を始めた方の中には不安に押しつぶされそうになって、せっかく買ったETFを売却したいと考えている方も居るかも知れません。
そのような人は自分の投資方針がしっかりと定まっていないのかな、と思います。
今回はそのような方々に向けて私なりの投資方針の立て方の記事を書かせていただきます。(もちろん、ベテランの方も初心にかえったつもりで御覧ください)
投資方針を立てる前の前提条件
投資方針の話をする前に一応確認したい事があります。
それは「あなたは自分が今年の株価を予想する事ができると思いますか?」です。
もし、予想できると思っているのなら、この先の記事を読む必要がありません。
プロのファンドマネージャーですら8割以上がインデックス運用に負けている中で、プロでも無いのにそれが出来るあなたは非常に稀有な能力を持っていると言えます。
底値の株を買い、高値で売り抜けて下さい。インデックス運用より、はるかに高いリターンを得ることが出来るでしょう。
これは皮肉ではなく割りと重要な事です。予想なんてほぼ不可能と理解しているはずなのに、けっこう「そろそろ株価が上がりそうだから・・・」とか「そろそろ暴落しそうだから・・・」と考えがちです。そういった人は自分の投資方針を捨ててアナリストの無責任な発言にすぐ食いついてしまいます。
というわけで、「自分には株価の予想はできない」と認識する事は長期運用の投資方針を立てる上での重要な前提条件となります。
(まあ、短期投資も少額で楽しむ分には良いと思いますけどね)
投資方針の立て方の概要
話を戻しましょう。投資方針は以下の順番で決めます。
- 目標 (資産、時期) を決める。
- 毎月いくら投資出来るか決める。
- 毎月の投資額から目標を達成できるETFを探す。
- そのETFの特徴を理解しリスクを許容できるか確認する。
最初から上手くは行かないと思います。その場合は、目標を下げる、倹約して投資額を増やす、よりリターンの高いETFを選ぶ、リスクが低い投資先を選ぶ、といった具合に何回かループして調整していきます。そして最終的な投資方針が決まるわけです。
このような手順でしっかりとした長期的な投資計画を立てれば、短期的な株価の下落にも惑わされなくなります。
目標を決める
何をするにしても、まず目標は重要です。
早期リタイアの為か、老後の安泰の為か。ただお金が欲しいからというのは方針がぶれまくるので辞めたほうが良いです。
ただし、はっきりとした目標を定めるには、現在の自分の状況と、このまま何もしなければ数十年後に自分の資産がいくらになるのか現実をはっきりと直視する必要がります。
毎月の投資額を決める
原資が無いと話が始まりません。自分の給料からいくら投資に回せるか考えましょう。
当然、投資額が多ければ早く目標額に達する事ができますし、リスクの低い投資先も選ぶ事が可能になります。
投資額は当然ですが、「投資額 = 収入 ー 支出」で決まります。つまり、収入を増やすか、支出を減らすか、です。
とはいえ、会社で出世して収入を増やすのはなかなか難しいと思います。自分の努力だけでどうにか出来るわけでも無いですからね。会社の状況等もありますし。
副業で収入を増やす方法もありますが、いきなり高収入は見込めないので計画に含めるのはオススメしません。ただし副業自体はチャレンジしてみるべきです。
基本的には自分だけで対応可能な倹約で支出を減らすのが良いです。家賃、車、保険、格安SIM、自炊、酒、たばこ、課金ゲーム、パチスロ等、倹約できる事はたくさんあるはずです。
もし、「収入=支出」で倹約も出来ないから投資する余裕が無いという場合は失礼ですが収入に対して分不相応な生活をしているとしか言えません。もう少し生活スタイルを見直すべきです。
投資額から目標を達成できるETFを探す
個人的に知名度が高いと思っているETFのリターンの順位を並べると以下のようになります。当然ですがハイリターンになるほどハイリスクです。
TECL > SPXL >> VGT > QQQ > VTI = VOO > VT > VYM
ただし、直近のリターン「だけ」で選ぶのは宜しくありません。長期のリターンや、経費率や配当も確認すべきです。
ここ最近は米国株が好調過ぎたので、直近のリターンが続く事を期待していると投資方針が破綻してしまいます。できればリーマンショック以前からの長期のデータを参考にすべきです。(無ければ、そのETFの指標から推測)
その点、S&P500に連動するETFは、S&P500自体が100年近い歴史があるので信頼度は高くなります。そういうところも人気のポイントですね。
ETFの特徴を理解してリスクを許容できるか確認する
選んだETFのリターンや配当の値が何故その値なのか、リスクはどのくらいなのか、他にどういう特徴があるのか、詳細を調べてみて下さい。
それぞれのETFは多くのブログ等で紹介されています。(私のブログでもいくつか紹介していますよ!)
ただ、これらの情報の参考にするのは良いですが、誰かにオススメされたから、誰かがやっているからではなく、ちゃんと自分で理解するというのが重要です。
そのETFを「選ぶ理由」がはっきりしているほど投資方針が強くなります。
そのETFの特徴を理解したとしても、自分のリスク許容度の判断は難しいですね。基本的に米国株は長期で見れば右肩上がりです。しかし、その途中で必ず暴落が起きます。
暴落は数年間続く可能性もありますし、暴落時には不況でリストラされる可能性もあります。その場合はETFを切り崩す可能性もある事を考慮しましょう。
リーマンショック時にはS&P500が約60%も下落しているので耐えられそうに無い場合は、債券ETF(BND等)を組み合わせて調整していくと良いです。
しかし、だからといってリスクばかり気にするとリターンは少なくなります。
リスク許容度は人それぞれで正解はありませんが、私としては暴落時のシミュレーションをしっかりと行って投資方針を固めているのならリスクは少し高めにとっても良いと思っています。(ただしレバレッジETFは除く)
投資方針は途中で変えても良い
投資方針はしっかりと決めるべきですが、別に途中で変えていけないわけではないです。
生活スタイルが変わったり、収入が増えたり、もしくは減ったり、新たなETFの情報を入手したり、状況が変われば投資方針を変えても大丈夫、というか変えるべきです。(実際、私自身も何度か変えています)
ただし、株価が下がったからという理由で投資方針を変えるのはオススメしません。株価が上下する度に投資方針を変えていたらいつまで経っても長期投資は成功しないでしょう。
そうならない為にも先述した方法でしっかりとした投資方針を立てるべきです。
私の場合について
私の場合は過去記事に掲載しています。参照下さい。
色々と私情が入っていますが、これも私なりの投資方針です。
最後に
いかがでしょうか。
色々書きましたが、結局自分が納得していれば立派な投資方針と言えます。
しかし、その「納得」が重要です。今回の記事で、あたなが「納得」できる投資方針を作る事が出来れば幸いです。