もしも売っていたらどんな未来になっていたか。
はじめに
昨日はダウは4.53%のプラスで1173ドルも上昇しました。我がVGTも4.08%のプラスです。相変わらず値動きが激しいですね。
上がった理由は民主党の候補指名争いでバイデンさんが優勢だった為のようです。まあ、たしかに市場からすればサンダースさんよりバイデンさんでしょうね。実際のところここ最近の下落の理由は新型コロナウイルスだけでなく、ひょっとしたらサンダースさんが候補者になるかもという不安もあったでしょう。
他にも米下院で新型コロナウイルスの対策の緊急対策予算が組まれる等のニュースがあり、これも要因となりました。
まだまだコロナショックは続くでしょうが、先週のようなただひたすら下落を続ける状況は収まり、しばらくはこのような上げ下げを繰り返しつつ、いずれ上昇していくのかなあと考えています。
このような状況の中、どうすれば良いかお悩みの方も多いでしょう。今回はもし過去に大幅に下落した時に株を売っていたらどうなっていたかのシミュレーションのお話です。
VGTでのシミュレーション
まず、条件は以下とします。
- 対象はVGT。
- VGTの開始である2004年1月30日から2020年3月4日まで。
- 為替は考慮しない。(計算を簡単にする為)
- 手数料は考慮しない。
- ぴったし全額で株を買えるものとする。
- 配当金も考慮しない。
- 売却益の税金は20%とする。
この条件でAさんとBさんの結果を確認します。
Aさんのルールは以下です。
- 毎月の月初めに5万円を追加投資する。それだけ。
Bさんのルールは以下です。
- 毎月の月始めに株を保有しているのなら5万円を追加投資する
- 毎月の月始めに株を保有していない(ノンポジ状態)なら5万円を現金で貯金する。
- 株を買い始めて最大値から10%下落したら株を売り現金にする。
- 株を売った後に最小値から10%上昇したら現金分の株を買う。
結果は以下となりました。
Aさん | Bさん | |
結果 | 3770万7186円 | 3279万2012円 |
考察
成績について
AさんはBさんより491万円(1.15倍)が成績が良いという結果になりました。
リーマンショック直後はBさんの方が成績が良いのですが、2014年頃から逆転し現時点でもAさんの方が成績が良いです。今回は配当金を考慮していない為、実際はさらに差が広がるはずです。
Bさんの負けた要因
暴落時にすぐ売却したBさんの成績が悪い大きな要因は「税金」です。
米国株は基本右肩上がりで時間をかけるほど資産が増えていき、原資に対して含み益の割合がどんどん大きくなります。しかし、株を売却してしまうと大きく増えた含み益の20%が一気に引かれてしまいます。買い直す時にはその20%のマイナス分を取り戻すほどの絶好のタイミングで買う必要があるわけですが・・・・それが困難なのは言うまでもないでしょう。
Bさんは工数もかかっている
さらに月に1回株を買うだけのAさんと比べてBさんは毎日株価をチェックして指値を設定する等の工数がかかります。ちょっとした事ですが馬鹿に出来ない工数です。
本当にBさんはルールを守れるのか?
Bさんがもし実際に投資した場合、はたしてルール通りに株を売買できるのかも疑問です。人の心は弱いものです。何かしら理由をつけてルールを捻じ曲げる可能性があります。
そして、Bさんにはそのときそのときの決断に大きなストレスがかかります。自分が売却した瞬間に大きく値上がりしたら大きなショックを受けるはずです。
シンプルなルールのAさんはルールを守りやすいですし、精神的な負担も少ないと思います。(少なくとも私はそうです)
今後も絶対同じ結果になるとは言えないが・・・
「これはあくまで直近16年の結果で今後もそうなるは限らないでしょ」と言われる方もいるでしょう。確かにそのとおりで未来は誰にも解りません。コロナショック等でさらに大暴落し今後何十年も景気が停滞したら、Bさんの方が良かったという結論になるかもしれません。
しかし、「米国の過去100年以上右肩上がりの実績」と「それが崩れて米国が何十年も景気が停滞」では今後どちらの方が確率が高いのでしょうか?
その絶望的な未来を予想するにあたってあなたが参考にしたのはアナリストの発言でしょうか?、扇動的なマスコミのニュースでしょうか?、それともネットの書き込みですか?
どちらを選ぶかは人それぞれでしょう。私だって永遠に米国の繁栄が続くとは思っていません。しかし、少なくとも私が生きている間は前者の方が確率が高いだろうと思っています。
結局のところ現代日本において豊かな老後生活を送るためには会社からの給与だけでは難しい状況です。大半の人は何かしらのリスクをとってでも資産を増やしていく必要があります。だとすれば、どのような方法が成功する確率が高いのかよく考えていくべきでしょう。
おわりに
いかがでしょうか。
今回の記事の内容も私の投資方針を裏付けるものの一つです。このように過去のデータから自分でいろいろ考えてみるとより強い投資方針を築けると思います。
あたなの投資方針の参考になれば幸いです。
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