コロナショックによる暴落から約2ヶ月が経過しました。現在の状況をまとめてみます。
はじめに
2020年2月12日にダウは最高値である29,551ドルとなるものの、中国から始まった新型コロナウイルスにより世界は一変し、たった一ヶ月でダウは18,591ドル(約37%マイナス)まで下落しました。
しかし、各国の経済支援策やウイルス対策により、現時点はなんとか24,242ドルと半値まで戻すことが出来ています。
暴落から約2ヶ月経過した現時点での各ETFの暴落と復活の状況のまとめたいと思います。
各ETFの暴落と復活の状況
調査の条件は以下です。
- 調査日はVOOが最高値だった2月19日、最低値(底値)だった3月23日、そして直近の4月17日。
- 対象はVOO(S&P500)、VT(世界株式)、VGT(ハイテク)、VHT(ヘルス)、QQQ(NASDAQ100)、VYM(高配当)、BND(債券)、IAU(ゴールド)、TECL(ハイテク3倍)、SPXS(S&P500ベア3倍)です。
結果は以下となります。
2月19日 | 3月23日変化率 | 4月17日変化率 | |
VOO | 309.47 | -33.99% | -14.82% |
VT | 82.68 | -34.11% | -17.62% |
VGT | 272.15 | -31.81% | -13.44% |
VHT | 196.72 | -28.85% | -3.77% |
QQQ | 236.48 | -27.92% | -8.96% |
VYM | 93.25 | -34.62% | -16.48% |
BND | 85.02 | -1.43% | 2.99% |
IAU | 15.41 | -8.96% | 4.35% |
TECL | 333.02 | -75.10% | -54.06% |
SPXS | 11.36 | 141.55% | -5.02% |
2月19日から4月17グラフです。(比較しやすいようにSPXSは省く)
直近10年のグラフです。(比較しやすいようにTECL、SPXSは省く)
考察
VOO(S&P500)
とりあえずVOO(S&P500)を基準とします。
今週の次点でVOOは半値以上戻しています。今後の事を考えるととても楽観的とはなりませんが、とりあえずは喜ぶべきでしょう。
VT (世界株式)
米国単体であるVOO(S&P500)と比べると戻りが弱いです。
やはりこの状況においても真っ先に復活するのは米国です。あれほどウイルスで被害を受けているにも関わらず、です。
結局、世界中で余った現金の行き着く先は米国であり、多くの人が期待している事の現れだと思っています。
VGT (ハイテク)
我がVGTも健闘しています。VOO(S&P500)よりも下落率も、復活の速さも上です。
直近10年でVOOよりも2倍以上のリターンを出しているのに、暴落時にはVOOよりも強く、非常に優秀と言えます。今後もハイテク株は米国を引っ張っていくでしょう。
VHT(ヘルス)
今回、株の中では最も戻りが早いのはVHTです。やはり医療関係は強いです。
ただこれは今回の暴落がウイルスによる為で、その他の要因ならばまた違った動きとなるでしょう。ただし、今後の先進国の高齢化を鑑みても医療セクタは強く、実際にVOOよりも成績は良いのでポートフォリオに組み込んでも良いかと思います。
QQQ(NASDAQ100)
残念ながら(?)、現時点でトータルで最も優秀なのはQQQです。下落率も復活の速さもVGTよりも上です。さらにVGTと同様に直近10年ではVOOと比較すると2倍以上のリターンを出しています。
VGTと差の要因はAmazonの有無ですね。今回はとにかくAmazonが強く、単体ではすでに完全復活し、先週には最高値をつけています。VGT派の私も鞍替えを考えたくなるほどの良い成績です。
VYM(高配当)
VOO(S&P500)よりも暴落時の下落時も復活の速さも悪いです。
持ち味の高配当(3.88%)で上手く買い増しできれば、もう少し成績が良くなりそうですが。
BND(債券)
やはりド安定の安全資産です。全体で最も下落率は低いです。
長期でのリターンは株式には遠く及ばないものの、この安定具合は魅力的です。私はリタイア後のポートフォリオに組み入れる事を考えています。
IAU(ゴールド)
現時点は全体で最もプラスとなっています。
債券と並ぶ安全資産ですが、債券よりも値動きは激しく、配当もありません。
これをどう捉えるかですね。個人的には安全資産で考えると 債券 > 金 です。
TECL(ハイテク3倍)
いやー、ひどいです。75%も下落した上に、未だに50%も下落している状況です。
レバレッジETFは調子の良い時はすごいのですが、暴落時にはとにかく弱いです。ホールドしている人は気が気でないでしょう。
本ブログでは一貫してレバレッジETFをオススメしない事としています。
SPXS(S&P500ベア3倍)
一時期は141%も上昇しましが、今や5%の下落です。上手く売り抜けた人はおめでとうございます。今後どうなるか解りませんが、やはり凡人にはオススメできません。
ただえさえ扱いが難しいベアで、しかもレバレッジETFとくれば難易度は最高クラスです。手を出すべきではありません。
まとめ
現時点ではQQQ、そしてVHTが良い感じです。VGTも健闘しています。
債券も安全資産として上手く機能しており、今回の暴落でリスク許容度を超えた運用をしていると感じた人は組み入れても良いと思います。
おわりに
さて、暴落から2ヶ月でかなり復活してきたものの、もちろん楽観視など出来ず、今後どうなるかはなんとも言えません。
実体経済の悪化、ウイルスの第二波など不安要素はてんこ盛りです。しかし、多くの人がこれほど短期間で株価が戻る事を予想していなかったように、未来の事は未知数です。
過度に悲観的にならず、どちらに転んでも上手く対応できるような投資方針を考えてみましょう。今回のデータがそのお役に立てれば幸いです。
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