架空の猫の雑記帳

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コロナショックによる各ETFの暴落と復活の状況 5月Ver.

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コロナショックによる暴落から約3ヶ月が経過しました。現在の状況をまとめてみます。

はじめに

コロナショックからだいたい3ヶ月が経過しました。(私はS&P500が最高値だった2月19日をコロナショック開始日としています)

私は約一ヶ月毎に各ETFの状況をまとめており、今回は5月Versionの記事となります。

各ETFの暴落と復活の状況

まずは条件です。

  • S&P500が最高値だった2月19日を基準日とする。
  • S&P500が底値だった3月23日での基準日からの変化率を求める。
  • 直近(5月15日)の基準日からの変化率を求める。
  • 対象は世界株式、S&P500、各セクタ、NASDAQ、債券、金に対応したETFとする。私の趣味で選んでいる事をご了承ください。

さっそく結果です。

  3/23 変化率 5/15 変化率
VT (世界) -34.11% -17.53%
VOO (S&P500) -33.99% -15.00%
VHT (ヘルスケア) -28.85% -2.76%
VDE (エネルギー) -56.54% -34.01%
VFH (金融) -44.30% -33.20%
VDC (生活必需品) -24.93% -10.76%
VCR (一般消費財S) -36.18% -13.37%
VOX (通信S) -31.16% -12.36%
VGT (ハイテク) -31.84% -8.99%
QQQ (NASDAQ) -27.92% -5.59%
TECL (ハイテク3倍) -75.10% -48.93%
VYM (高配当) -34.62% -19.64%
BND (債券) -1.62% +2.74%
IAU (金) -3.63% +8.18%

2月19日~5月15日までの推移です。ごちゃごちゃしてすいません。

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おまけの直近10年の推移です。少しでも見やすくするようにTECLは省いています。

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考察

VT (世界)

VOOより大きく下落した上に戻りもVOOより悪いです。米国があれだけ酷い事になっても、やはり復活するのは米国の方が早いという訳ですね。

これからは米国以外の先進国が優勢になるというアナリストも居ますがこの結果を見る限り私は懐疑的です。(中国寄りのバイデンさんが大統領になれば解りませんが)

VOO (S&P500)

最悪時には約3割下げつつも、現在は半値以上まで回復。

ほぼ米国全体の指標であり、他ETFに対する基準になります。つまり、S&P500より良ければ優秀、悪ければいまいち、というわけです。

VHT (ヘルスケア)

主な保有銘柄はジョンソンアンドジョンソン(JNJ)。

株式の中では最も優秀な成績です。やはり感染病が原因のこの暴落においてはヘルスケアに対する期待は非常に高く、ほぼ暴落前の株価まで戻っています。

長期で見てもハイテクに次いで優秀であり、今後も期待が持てます。

VDE (エネルギー)

主な保有銘柄はエクソンモービル(XOM)。

原油マイナスといった大事件もあり、各セクタ別で見ると一番悪い成績です。

当面の間は世界は省エネ方向に向かうと思われる為に先行きは暗いですね。原油問題については政治が大きく絡むため、何が起きても不思議は無いかと思います。

正直、手を出すのが怖いセクタです。

VFH (金融)

主な保有銘柄はJPモルガン(JMP)やバフェットさんのバークシャー・ハサウェイ(BRK.B)。先日バフェットさんが8割売却したゴールドマン・サックス(GS)もここに入ります。

実態経済の悪化の影響をモロに受けるセクタであり、今後は貸し倒れ等が危惧されVDE (エネルギー) に次いで悪い状況です。こりゃバフェットさんが手放すのも解らなくも無いですね。

もっとも、逆に言えば今は割安と言えるのかもしれません。一発逆転を狙う人は検討してみてください。

VDC (生活必需品)

主な保有銘柄はP&G(PG)やコカ・コーラ(KO)です。

やはり生活必需品は強く、セクタ別で見ると復活状況はヘルスケア、ハイテクに続いて3番目に良い成績で、最大下落率で見れば最も傷が浅かったです。

どんなに景気が悪くてもこれらが無いと生きていくのは難しいというわけですね。安定性を求めるのなら有力候補です。

VCR (一般消費財・サービス)

主な保有銘柄はAmazon(AMZN)やマクドナルド(MCD)。・・・やっぱりAamazonがここに居るのは違和感しかないのですが。

一応、S&P500よりは復活しています。Amazonはコロナショック下に置いて非常に良い成績を上げているのですが、いかんせん他が足を引っ張っているようです。

自粛によりどうしても外出する機会が減っていますからね。私も外食する機会がすっかり減ってしまいました。経済活動の再開で多少は持ち直してほしいところです。

VOX (通信サービス)

主な保有銘柄はGoogle(GOOG)、Facebook(FB)、Netflix(NFLX)。

こちらもS&P500よりも良い成績です。十分良い結果なのですが、個人的には巣ごもり需要でもっと上がるかと思っていました。

Netflixなんかは既にコロナショック前の株価を上回っているのものの他が足を引っ張っているのでしょうか。ちょっと調べきれていません。

VGT (ハイテク)

主な保有銘柄はMicrosoft(MSFT)、Apple(AAPL)、Visa(V)、MasterCard(MA)。

来ました!  私のメイン銘柄です。セクタ別で見ればVHT(ヘルスケア)に次いで2位と非常に素晴らしい成績ですね。なお、コロナショックだけ見ればVHTに負けていますが長期で見ればそのリターンは圧倒的に1位です。

Microsoftはもちろんですが、セクタ全体が良い成績のようです。やはりアフターコロナの世界では今まで以上にハイテクが重要になってくると思っています。

正直言いますと、ハイテク(VGT)の優位性を再確認する為にこのまとめをしているようなものなんですよね。

QQQ (NASDAQ)

QQQの主な保有銘柄はGAFAM(Google、Amazon、Facebook、Apple、Microsoft)です。

その構成からまさに「ボクの考えた最強のETF」と言えるかもしれません。概ねVGTと同様の動きをする事が多いのですが、今回はAmazonが非常に強くVGTよりも良い成績となっています。

ここ最近で見ても経済指標の中ではダウでもS&P500でもなくNASDAQが最も強く、今後も期待できるでしょう。 

懸念事項としては運用会社のインベスコ(IVZ)の株価がかつてないほど悪い事です。万が一に運用会社が潰れたとしても資産は保護されますがちょっと不安ですね。

TECL (ハイテク3倍)

最悪時には約75%も下落し、現時点でも約50%下落している状態で今回の対象ETFの中では最も悪い成績です。

本ブログでは何度も言っていますが、レバレッジETFはオススメしません。非常に上級者向けのETFです。確かに上層相場ではとんでもない利益を得る事ができますが、一度暴落が来るとこのように悪い方向にとんでもない事になってしまいます。

VGTにほぼ全資産を突っ込んでいるような私でもレバレッジETFに手を出すつもりにはなりません。

VYM (高配当)

各セクタの高配当銘柄を揃えたETFです。主な保有銘柄はJPモルガン(JPM)、ジョンソンアンドジョンソン(JNJ)、P&G(PG)。

高配当(3.52%)なものの、それを差し引いてもS&P500より成績は悪いです。上手く配当金を使って割安時に買い増しできればワンチャンあるかもしれません。

BND (債券)

安全資産と言える超ド安定ETFです。コロナショック開始直後は多少下がったものの、即復活。この状況下でもほとんど大きな値動きはありません。

長期で見れば株式ほどではありませんが一応右肩上がりであり、今回の暴落で自分のリスク許容度以上の運用をしていると感じた方は債券を入れて調整してみる事をオススメします。

IAU (金)

債券と並んで安全資産と言われる金です。ここ最近はかなり上がっており人気のようです。好きな人は本当に好きですよね、金。

今回の対象ETFでは最もプラスになっています。債券との違いは値動きがけっこう荒い、配当金が無い、といったところでしょうか。私としては2011年の最高値を超えていない事から長期保有には向かないと思っていますが、そこら辺を許容できるのならリスク分散としてオススメです。

まとめ

ETFにもよりますが、3月の底値から4月中旬にかけてまでは大きく回復したものの、ここ一ヶ月くらいはだいたいヨコヨコか微増です。多少は落ち着いてきたという事でしょうか。

個別に見るとセクタによる勝ち負けがはっきり出てきていますね。いわゆるアフターコロナというやつで経済のパダラダイムシフトが起きているような気がします。これから古い体質の企業はどんどん淘汰され、逆に新しい時代に適応できる企業はどんどん伸びていくのでしょう。

個別株は難易度が高い為にオススメは出来ませんが、かといって「市場全体」のETFに投資してもほとんど利益が出ない可能性があります。リスクはあるものの個人的にはQQQやVGT、VHTのようなある程度選別されたETFをオススメします。

おわりに

さて、暴落から3ヶ月でかなり回復してきたものの、もちろん楽観視は出来ません。実体経済の悪化、ウイルスの第二波など不安要素はまだ続いています。

しかし、多くの人がこの短期間でここまで株価が戻る事を予想していなかったように、未来の事は未知数です。

よって、過度に悲観的にならずに自分なりの投資方針を考えてみましょう。今回のデータがそのお役に立てれば幸いです。

 

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