VGTを買い始めるチャンスか!?
はじめに
投資する上で、重要な事はいかに「必ず」かかる費用を少なくするか、だと思います。
株価が上がるか下がるかは未確定ですが、手数料や経費率や税金は必ず費用がかかり、かつその金額は自分である程度コントロール出来ます。
お金を増やしたければ、まずはこれらの費用に着目すべきでしょうね。
今回は人気のETFであるQQQと、私も1億円以上保持しているVGTの手数料がSBI証券で無料になるという話をします。
SBI証券でQQQ、VGT、他いくつかのETFが手数料無料に
私がメインで使用しているSBI証券は元々いくつかのETFが手数料無料でしたが、4月1日からその構成が変わります。
詳細は上記のリンクを見て頂くとして、ざっくり述べますと以下のETFが手数料無料となります。(New!)とついているのが今回新規に追加されたETFです。
- VT (世界全体)
- VTI (米国全体)
- VOO (S&P500)
- EPI (インド)
- GLDM (金) (New!)
- QQQ (NASDAQ100) (New!)
- SPYD (高配当) (New!)
- AGG (債券) (New!)
- VGT (情報技術セクタ) (New!)
- IYR (不動産) (New!)
また、以下のETFが手数料無料から外れます。
- IVV (S&P500)
- SPY (S&P500)
- DHS (高配当)
- DLN (高配当)
- DGRW (高配当)
従来はS&P500と高配当に偏重していましたが、金や債券、ハイテクや不動産とバリエーションが豊かになりましたね。
これら手数料無料のETFだけでポートフォリオを組んでも良いくらいです。実際は私はVGTがメインでVTIがサブで買っていますし。
現在、ネット証券ではSBI証券と楽天証券の2強となっています。
楽天証券の勢いが強く、いずれシェアトップになるかと思いましたが、ここに来て楽天証券はポイント還元を改悪。
そして、そのタイミングでSBI証券は投信引っ越しキャンペーンを開始。(3月末までなので気になる人は急ぎましょう)
そして、さらに本記事で述べているように手数料無料サービスを拡大しています。これに対して楽天証券もなにか新サービスを出してくるかもしれませんね。
このように切磋琢磨してさらなるサービス向上を目指してくれる事を期待しましょう。
現状のVGTとQQQの比較
しかし、今回のSBI証券手数料の対象変更で興味深いのがVGTとQQQの両方入っている事です。
たしかに構成こそ異なりますが、両者ともハイテク/グロース株ETFという事で役割的にはかぶっていますから。それにVGTはQQQと比べるとややマイナーかと思っていますし。私が知る限り、おすすめETFでQQQの名前はよく出てきますがVGTはそんなに出てきません。
以下のETFのAUM(運用資産残高)ランキングで見るとQQQは5位でVGTは24位と圧倒しています。
SBI証券の2021年のETFランキングでもQQQは5位についていますがVGTはランク外です。
以下は両者の基本情報です。(Bloombergより)
VGT | QQQ | |
指標 | MSCI USインベスタブル マーケット情報技術25/50インデックス |
NASDAQ100 |
銘柄数 | 359 | 102 |
資産総額 | 49.744(十億ドル) | 193.251(十億ドル) |
経費率 | 0.10% | 0.20% |
配当 | 0.67% | 0.43% |
TotalReturn (YTD) | -9.38% | -9.57% |
TotalReturn (5Y) | 26.57% | 23.31% |
設定日 | 2004年1月 | 1999年3月 |
保有銘柄1位 | Apple 22.99% | Apple 12.57% |
保有銘柄2位 | Microsoft 17.67% | Microsoft 10.04% |
保有銘柄3位 | Nvidia 4.87% | Anazon 7.39% |
保有銘柄4位 | Visa 2.84% | Tesla 4.60% |
保有銘柄5位 | MasterCard 2.71% | Nvidia 4.29% |
指標、構成銘柄の違い
VGTはMSCIが情報技術セクタとしている約300社を保有しており、大企業だけでなく中小企業も含まれています。
トップ2はAppleとMicrosoftで、この2つだけで約40%を占めています。
AmazonやTeslaは一般消費財セクタに、GoogleやMeta(Facebook)は通信サービスセクタに含まれるため、情報技術セクタに入っていません。
また、どういうわけかVisaやMasterCardは情報技術セクタです。ただこれらは2022年中に金融セクタに移行するとも言われています。
一方でQQQはNASDAQに上場している金融セクタを除く上位100社を保有しています。そのため大企業が多く、上位はハイテク企業で占められているもののコストコやペプシコーラなどハイテク以外の企業も存在します。
VGTも中小企業を組み合わせて分散していますが、大企業オンリーでもセクタを跨いでいるQQQの方が分散していると言えるでしょう。裏を返せばVGTの方がリスク、リターンが大きくなる可能性があります。
しかし、少し前のQQQのトップ5はGAFAM(Google、Amazon、Facebook、Apple、Microsoft)だったのですが、すでにGoogle、Facebookは上位から脱落していますね・・・
成績、経費率、配当の違い
経費率、配当はわずかにVGTが良いですが正直誤差レベルかと思います。
成績も年初来、直近5年のトータルリターンではVGTがわずかに勝っています。
直近ではVGTの方が好成績ですが、VGT設定来の2004年から見るとQQQの方が株価の上昇量が高いです。
VGTの各年の成績。2008年を除くと全てプラス。私は2015年あたりからVGTを買い始めたので年間でマイナスになった事が一度も無い。はたして今年はどうなるやら。
QQQの各年の成績。マイナスだったのは2018年と2008年のみ。2005年~2021年までで見るとQQQが9勝8敗で一応勝ち越しています。
色々細かい違いはあるものの両者は似たような動きをしています。VGTが大きく下がってQQQが大きく上昇した、なんて事はありません。その逆も同じです。
情報技術セクタにこだわる人はVGT、セクタにこだわらず成長企業に投資したい人はQQQが良いでしょう。
「どっちが良いか決められない!」って人は無難なQQQをオススメします。ただVGTを選んでくれると私的には同志が増えたみたいで嬉しい。
私がVGTを選んだ理由
私はVGTを1億円分以上保有していてポートフォリオの約85%を占めているほどのVGT狂です。
もう何度も本ブログで述べていますが改めてVGTを選んだ主な理由を述べさせてもらいます。私の個人的な思いが強いので参考程度にお聞きください。
投資に個人的な感情は不要という考えもありますが、私は思っきり感情を優先させています。じゃないと長期投資なんてやっていけないと考えているので。
ハイテク銘柄は今後も米国株を牽引し、情報技術セクタはその根幹となると考えているから
現在、米国株を牽引しているのはハイテク株です。そしてそれは今後も続くと考えています。
ハイテクはイノベーションがあり、今後もEV、メタ(VR)、人工知能、ゆくゆくは宇宙といった新たな市場の拡大が期待できます。
ハイテクはもはやインフラと言っても良いです。ハンバーガーやコーラを我慢できてもスマホやネットを我慢できる人はもはや少ないでしょう。
ハイテクを征する者が世界を制す。米国はもちろん中国や様々な国が技術開発に力を入れています。それはハイテクを制した国が今後の覇権を握る可能性があるからです。
そのハイテクの根幹となるのが情報技術セクタの企業群です。これが伸びないはずが無い!・・・と思っています。
ただし、伸びるといってもあくまで10年、20年単位の話であり、その途中では大きな暴落が何度か起きるであろう事は確実でしょうけどね。
QQQは先述のとおりハイテクとは呼べない企業も入っており、私にとってはそれが「不純物」に映ります。それ故に私としては純粋にハイテクに投資できるVGTを選んでいます。
私自身が技術者でハイテク好きだから
単純に私がハイテク、特に情報技術セクタの企業が好きだからです。
私の本職は技術者で一応半導体関連の開発に携わっています。昔からその手の分野が好きで個人的にもデジタルガジェットを買うのが趣味だったりします。
私が生きているうちに、出来うる限りテクノロジーが発展してほしい。人間のように会話できるロボット、現実と見間違うほどの仮想世界、そして気軽に行ける宇宙旅行。子供っぽいようですがそんな世界が来ることを夢見ています。
理想は私自身がそういった技術の発展に直接貢献する事ですが、残念ながらそれは難しそうです。
しかし、そんな私でも出来る事があります。それは投資をする事で優秀な人たちにお金を渡して夢を託す事です。僅かでも自分のお金が、テクノロジーの発展に貢献していると考えると嬉しいとは思いませんか?
おわりに
まさかのVGT手数料無料は非常に嬉しい。また買いたくなってきました。
先述のとおり、手数料無料の範囲でハイテクや債券、金、不動産、新興国が入っているので、これだけで基本ポートフォリオが組めそうです。
SBI証券で投資を始める方は検討してみても良いでしょうね。
2022年4月3日 追記
楽天でもQQQやVGTが手数料無料になりました。このように切磋琢磨していってほしいですね。
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