セクタ投資はいいぞ。
はじめに
さて、前回は私の資産に関しての上半期のまとめをやりましたが、今回は米国株、特にセクタに関するまとめになります。
私個人のセクター投資への思いについても合わせて書いています。
セクタ投資が好き
私はセクタ投資が好きです。ハイテクに投資するにしても、QQQではなくVGT(情報技術)を選びましたし、VCR(一般消費財)やVFH(金融)も一時買っていました。
ETFには色々な種類があるのが魅力です。国や地域で分けるVT(全世界)やVTI(米国)や、米国有名指数のVOO(S&P500)やQQQ(NASDAQ100)、投資的な特性で分けるVYM(高配当)やVUG(グロース)やVTV(バリュー)、事業内容をセクタで分けるVGT(情報技術)やVFH(金融)、さらに細かいテーマであるQCLN(クリエネ)やHERO(ゲーム)。
基本的には適用する範囲が狭いほどリスクが高くなり、大きなリターンを狙う事が出来ます。しかし、自分がよく解らない銘柄は成長を信じる事が出来ず、いざという時に狼狽売りをしやすい。自分の好みやリスク許容度にあった製品をうまく選ぶのが投資を成功させるコツかと思います。
私がセクタ投資が好きなのは、ちょうどよいリスクと、自分が何に投資をしているのかイメージしやすい為です。
私の入金力を考慮するとVT、VOO、VTIあたりでは老後の資産は築くのには十分でも、早期リタイアは厳しそうでした。
QQQやVUGはなんか自分が何に投資をしているのかイメージがつきにくい。NASDAQやグロースの条件って何なのさ? 個々の企業について調べる時はまずその事業内容から調べる私からすると、興味が無い企業が入って来やすく愛着が湧きづらい。(個人の感想です)
QCLNやHERO等の限られたテーマはちょっと自分にはリスクが高い。買うとしてもメインというよりはサブで趣味的に買うものかなと思います。
最近はVGTメインとVTIサブに落ち着いていますが、またしばらくしたら別セクタへの投資に手を出すかもしれません。そういった時のためにも定期的にセクタの様子をチェックしています。
まずは指数について
セクタの話に入る前に基準となる有名どころの指数ETFとVTIについて。
ETF | 概要 | Top1&2 |
VOO | S&P500 | Apple、Microsoft |
VTI | 米国全体 | Apple、Microsoft |
QQQ | NASDAQ100 | Apple、Microsoft |
年初来(YTD)、3年、5年のトータルリターンをまとめています。データは全部米Yahoo financeから。単位は%。
VOOとVTIは相変わらず同じ動き。QQQは3年と5年はVOOよりも成績が良かったが、年初来ではVOOに劣る。
この事から見てもハイテクは例年と比べて勢いが無くなっており、セクタローテーションが発生している事が解ります。もっとも今までが高すぎただけですし、年初来でも10%以上で、VOOとの差は数%なので十分な成績です。
セクタについて
前置きが長くなりましたが、ようやく本題のセクタについてです。
ETF | 概要 | Top1&2 |
VAW | 素材 | Linde, SherwinWilliams |
VCR | 一般消費財 | Amazon, Tesla |
VDC | 生活必需品 | P&G, CocaCola |
VDE | エネルギー | ExxonMobil, Chevron |
VFH | 金融 | JPMorgan, Berkshire |
VGT | 情報技術 | Apple、Microsoft |
VHT | ヘルスケア | J&J, UnitedHealth |
VIS | 資本財 | Honeywell, United Parcel |
VNQ | 不動産 | AmericanTower, Prologis |
VOX | 通信 | FB, Google |
VPU | 公益事業 | NextEra, Duke |
年初来(YTD)、3年、5年のトータルリターンは以下。
セクタ別に見ても年初来と3年、5年は傾向が異なっています。まさに今年は転換期だと実感出来ますね。
今年上げ傾向にあるのはVDE、VFH、VNQ。下げ傾向にあるのはVCR、VGT、VHT、VDC、VPU。あまり影響無さそうなのが、VAW、VDC、VIS、VOX。
なかでも極端なのが年初来1位のVDE。年初来では+50%近くですが、3年、5年ではマイナス。基本的に米国株は右肩上がりなのですが、エネルギーは政治的な要素も強く、マイナスになる事も多い。今年大きく上げているからといって個人的にはあまりオススメ出来ません。
VFHは年初来2位で今年は非常に強い。今年の主役セクタは金融と言っても良いでしょう。金融はリーマンショックやコロナショックから見ても、大暴落が起きた時は復帰が非常に遅いのですが、ぞのズレの分、資産を安定化させるのに役立つかもしれません。実際VGTとVFHの組み合わせは、S&P500よりも高い水準で安定する。
意外にパッとしないのがVHT。コロナ禍ではヘルスケアが主役になるかと思いましたが、一部のワクチン関連を除いてあまり伸びてはいません。米国株の書籍なんかを見ると大抵オススメされるのですが、全ての期間においてVGTに負けています。
私がメインとしているVGTは3年、5年の期間ではQQQを超える成績でセクタ1位でしたが、年初来では8位に甘んじています。とはいえQQQと同様、十分な成績なんですけどね。
その他、安全資産系について
おまけとして私が気にしている以下のETFもまとめておきます。高配当と債権、金の安全資産と呼ばれるものです。
ETF | 概要 | Top1&2 |
VYM | 高配当 | JPMorgan, J&J |
BND | 債権 | - |
GLD | 金 | - |
年初来(YTD)、3年、5年のトータルリターンは以下。
VYMは今年は調子が良いのですが、それでも思ったより伸びていませんね。これはトータルリターンなので配当金も込みの成績です。配当金が大好き、という人以外は普通にS&P500のVOOやVTIを買った方が良い気がします。
BND、GLDはマイナス。金利の影響を受けやすいですし、なんだかんだでS&P500やNASDAQは最高値を更新していますから上がる要素は乏しい。直近の3年、5年で見れば債権よりも金の方がトータルではプラスでした。
私は現在、株のヘッジとして一般的に言われる債権や金ではなく現金(日本円)を選択しています。ここらへんもまだ少し悩んでいまして、いつか別記事に詳しく書くつもりです。
まとめと今後の方針
解ってはいたものの、ハイテクが従来の勢いを弱め、金融など従来ぱっとしなかったセクタが台頭してきている、という事がハッキリしました。しかし、ハイテクは思ったほど下がっておらず十分な成績を保てている事も確かかと。
果たして現状の流れはしばらく続くのでしょうか? それとも一時的?・・・ここでバチッと断言できれば格好良いのですが、やっぱり私にはさっぱりです。
下図のように景気の状況によって好調なセクタは変わるとは言われています。参考にはなるかと思いますが、結局は状況によりけりかと。何より今が景気が強いのか弱いのかの判断はけっこう難しい。
個人的にはハイテクはイノベーションが有り、今後も超長期では最も伸びるとは思っていますが、直近では金利上昇、金融緩和縮小が待ち構えています。一方でそれが今から予想できているのなら、たいして影響が無いのかも、という期待もありますね。大きな下落は大抵、誰もが予想し得ないところから起きるものですから。
私は基本的に素人は順張りで良いと思っています。ここで重要なのが年単位、特に3年~5年の中長期な順張り、という事です。その観点で見た場合、まだまだ優位なのは情報技術セクタ。今はむしろ買い時と思っています。
「いやいや、そんな事ないよ」と思う人は金融を選ぶと良いですし、今はセクタのトレンドが切り替わるかどうか見極める時だと思う人はVOOやVTIを選んでおけば、まあ間違いはないでしょう。
私は現時点ではハイテク、つまりVGT重視の戦略は変えるつもりはありません。
しかし、先に述べたようにVGTが長期的でみても他セクタに負けるようなら・・・というわけで定期的なセクタチェックは続きます。次回は来年の年明けかな。
おわりに
私は面倒くさがりなので、なるべく投資には手間をかけないようにしています。
とはいえたまには、ほんの少しだけ手間をかけてこういった事を調べるのも良いでしょう。
今回紹介したセクタ投資はS&P500だけでは物足りないと感じている方が一歩進んだ投資をしてみたいと思った時にオススメです。
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